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V=IRが、呪文だった。
テキストにそう書いてあった。
「電圧=電流×抵抗」。V=I×R。中学で習ったはずだ。たぶん。でも問題を見た瞬間、頭が真っ白になった。
「抵抗が4Ωで電流が3A、このときの電力は?」
V=IRは分かった。でも「電力」って何だ。Wか。どう計算するんだ。式が出てこない。
時計を見た。15分経っていた。1問も解けていなかった。
「俺、時間を無駄にしたんじゃないか」
その言葉が、頭をよぎった。
計算問題という名の「別ゲー」
電工2種の学科試験は、大きく2種類に分かれる。
暗記問題と計算問題だ。
暗記問題はアプリで突破できると前の記事で書いた。選択肢を繰り返し見ているうちに、体が覚える。それでいい。
でも計算問題は、違う。
「V=IR」「P=IV」「電力量=Pt」。式は覚えられる。でも問題になった瞬間、どの式を使えばいいか分からなくなる。数字がぐるぐる回って、答えが出ない。
アプリで過去問を解いても、計算問題だけ毎回バツがつく。正解率が上がらない。
「文系には、やっぱり無理なのか」
そう思い始めていた。
「捨てよう」と思った夜
ある夜、正直に考えた。
計算問題は全部で何問出るのか。調べたら、50問中10問前後だと分かった。
合格ラインは60点(30問正解)。
計算問題を全部捨てても、残り40問を全部正解すれば合格できる。
「捨てていいんじゃないか」
一瞬そう思った。でも踏み切れなかった。理由は単純だ。「全部捨てる」という選択が、なんとなく悔しかった。
結局その夜も、アプリで計算問題を解き続けた。解けなかった。寝た。
突然、わかった。
転機は、突然来た。
試験の2ヶ月前のことだ。いつものようにアプリを開いて、同じ計算問題を解いていた。何度目か分からない。正直、半分諦めながら解いていた。
「抵抗が4Ω、電流が3A、電力は?」
P=I²×R。
手が動いた。
3²×4=36W。
合っていた。
「あれ?」と思った。考えた記憶がない。式が、先に出てきた。
次の問題を解いた。また合っていた。その次も。
「繰り返しが、突然つながった」
理解したわけじゃない。でも、手が動くようになっていた。参考書で仕組みを理解したわけでもない。ただ、同じ問題を何度も解いていたら、ある日突然、体が覚えていた。
「突然わかる」の正体
今振り返ると、あれは「慣れ」だったと思う。
計算問題は、仕組みを理解しなくていい。「このパターンが来たら、この式」という反射を作ればいい。
電工2種の計算問題は、パターンが決まっている。オームの法則、電力、電力量、合成抵抗。出てくる型はせいぜい5〜6種類だ。
その型を、繰り返しで体に染み込ませる。理解は後からついてくる。
「時間を無駄にした」と思っていた時間は、無駄じゃなかった。ただ、「突然わかる」の手前にいただけだった。
80点を取るための、たった1つのこと
「1つのこと」と書いた。正直に言う。
過去問を繰り返すこと。それだけだ。
参考書はいらない。解説動画も、最初の理解には使えるが必須じゃない。アプリで過去問を繰り返す。計算問題も暗記問題も、同じ問題が何度も出てくる。
最初は意味が分からなくていい。正解率30%でいい。
ただ、やめるな。
「突然わかる」瞬間は、必ず来る。
私は2ヶ月目に来た。あなたは1ヶ月後かもしれないし、3ヶ月後かもしれない。でも繰り返している限り、必ず来る。
「時間を無駄にした」と思っているあなたへ
計算問題で詰んで、「文系には無理だ」と思っているあなたへ。
無駄じゃない。手前にいるだけだ。
もう少しだけ、アプリを開き続けてほしい。
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