正直に言う。
候補問題No.2を最初に練習したとき、タイムは54分だった。
54分。制限時間40分の試験で、54分。
「才能ないわ〜」でも「難しいな〜」でもなく、ただ静かに「あ、これ落ちるやつだ」と思った。
実技問題がなぜ難しかったのか
シースをはぐ、結線を間違えたらどうしよう…。ケーブルを短く切っちゃったら…。そんな不安だらけの状況が思考を鈍らせた。
複線図は練習した。でも実物と連動しない。「これであっているのか?」「欠陥はないか?」そんな状況でスピードが上がるわけがない。
ただ、候補問題もNo.6ついに30分切りをはたした。複線図を書きながらケーブルを想定している自分がいたことに驚いた。複線図を書きながら、頭の中でシースををはいでいるのだ。
ただ同時に、複線図に強い信頼をしてしまい、若干の焦りを起こしたことをここに書いておこうと思う。
私の複線図はこうなっていた。
- ケーブルの長さを書く → 縦/横がクロスしてしまい、一瞬で判断できない
- 配色を工夫する → R(赤)/B(黒)を見間違える
- 〇マークと「小」マークが隣り合う → 見間違える
手の遅さが問題ではなく、自分が書いたメモが読みずらいという前代未聞のボトルネックを抱えていた。
28分台への道:「器具ファースト」動線の確立
54分から少しずつタイムが縮み、気づいたら28分台に突入していた。
なんで縮んだかというと、作業順序を根本から変えたからだ。
旧:ケーブルを出す → 測る → 切る → 器具を取り出す → 装着
新:先に器具を並べる → ケーブルをまとめて必要長さに切り出す → 結線
器具ファースト → まとめ切り出し。 これが「工具の持ち替えゼロ」を実現する、工場ラインみたいな動線だ。私にはコレがあっているみただ。
ネジ系のケーブルは50mm、コンセント系は100mmと決めておけば、メジャーを持ち直す回数がほぼゼロになる。
「1本ずつ測って切る」という行為が、いかにスイッチングコストを生んでいたか、やってみて初めてわかった。
体感25分という不思議な感覚
28分台で完成したとき、正直なことを言う。
「あれ、思ったより余裕あったな」と思った。
焦っていなかった。急いでいる感覚もなかった。むしろ「なんかゆっくりやってたのに、もう終わった?」という感じ。
時計を見たら28:43だった。
これが「ゾーン」というやつなのか。いや、「ゾーン」という言葉が大げさなら、「作業が体に馴染んだ状態」と言い換えよう。手が考える前に動いている感覚。
ただ、同時に25分くらいかなと淡い期待をしていた。
当日は緊張もあると思う。作業時間をコンパクトにできることはとても大切だと感じる。実技を始めたころ、直前でも大丈夫でしょと思っていた自分が恥ずかしい…。しっかり練習しておくに越したことはない。
痛恨のやらかし:圧着とコネクタの取り違え
ここで告白しておかなければならないことがある。
タイムアタック中にやらかした。
リングスリーブ(20mm)と差込形コネクタ(12mm)を間違えて心線出ししていた。
「あ」
声が出た。声が出るレベルの「あ」だ。試験会場だったら周りの受験者に聞こえていたかもしれない。
でも、ここで役に立ったのが以前身につけた「切り戻しリカバリー術」だった。
8mm端末を切り戻して、絶縁被覆数㎜をむき直して、正しくリングスリーブで圧着する。
かかった時間、たぶん40秒くらい。
脇に嫌な汗は出たが、タイムは28分台に収まった。
ミスをしても28分台。
これが意味することは大きい。「大枠さえ整っていれば、1回やらかしても余裕で合格できる」ということだ。
そして次のボトルネックが見えてきた
30分台が安定してきたとき、気づいた。
もうボトルネックは「手の遅さ」ではない。
「自分が書いた複線図の読みづらさ」だ。
具体的にはこういう問題が起きている:
- 圧着マークの「〇」と「小」を見間違える
- 配線の色(白・黒・赤)が走り書きだと区別しにくい
- スイッチ番号(0・1・3)が汚い字で「あれ?」と一瞬なる
- ケーブルの長さを再認識するコスト
テキストには「複線図は正確に書きましょう」と書いてある。
正確に、って、どの程度?どこを太く書く?記号はどう略す?
そこは書いていない。泥臭い実践論は、自分で開発するしかない。
複線図の「視覚トラップ」を撃破するためにやっていること
現在試行錯誤中だが、効果があったのはこの3つだ。
① 圧着マークは「〇」を大きく、「小」は枠で囲む 「〇」と「小」は横に並ぶと本当に見間違える。大きさと形で差別化する。
②個人的には「W」「B」「R」と英字のままの方が馴染んでいる気がする 漢字の「白」「黒」「赤」は走り書きにすると崩れる。英字のほうが速くて見やすい。
③ スイッチのイロハはしっかり書き込む どこの器具についているのか、認識し直すのに意外とストレスがかかる。クリアにするためにも丁寧に。ココの数秒が、大きな秒数に影響する。
速くなるほど、ミスは「手」ではなく「目」から生まれる。 自分の複線図を「ストレスなく最速で読める設計」にすることが、次の課題だ。
まとめ:54分から28分へ、そして次は23分台へ
最初は54分かかった候補問題の実技練習が、いまは28分台で完成できるようになった。
| フェーズ | タイム | 主なボトルネック |
|---|---|---|
| 初回 | 54分 | 回路理解・複線図の自信が薄い |
| 中期 | 35〜40分 | 工具の持ち替え・作業順序 |
| 現在 | 28分台 | 複線図の視認性・記号の読みずらさ |
| 目標 | 安定23分台 | — |
次の壁は「手の速さ」ではなく「目の速さ」だ。
自分が書いたメモを、作業中に迷わず読める設計にすること。これが23分台安定への鍵だと思っている。
まだ道半ば。でも54分から28分まで来た事実は、ちゃんと誇っていいはずだ。
…脇汗をかきながら、たった一人で。
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